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2.3簡易梅毒反應檢査法について
樋口 謙太郎
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1九州大學醫學部皮膚科教室
pp.275-278
発行日 1950年7月1日
Published Date 1950/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200368
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實地醫家に於て簡單に實施可能な梅毒反應檢査法を,最近の文献より選擇追試し,其術式と應用價値をこゝに紹介しようと思う。蓋し現下の梅毒反應檢査は比較的大量採血の上,一定機關に依頼する必要があり,相當の時日と用を要する故不便が多い。患者を待たせている間に即座に判明し,且つ相當の信頼を示す方法が要望されているのでそれに答える意味で調査した譯である。重ねて集團檢診えの應用のことも考慮に入れた。これ等の目的には既に井出反應が出ているが,このことについては周知のこと故省略する。
(1)稀釋血液加熱法(岡本・西山・高雄氏法)
術式並に判定 小型試驗管に1.0ccの淨水(中性の要あり)を入れ,15℃(11℃〜16℃なれば差支えない)に保ち,之に血液0.2ccを混じ攪拌の後100℃(85℃以上なれば可),5分間加熱する。この際採血後10〜20分以内に操作する要がある。正常血は均等なチョコレート色溶液を示し,膠質粒子は肉眼でけ認め得ない。梅毒では不均等の顆粒が浮ぶか,或は全體又は大部分がゼラチンように固まる。
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