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ライネル落屑性紅皮症—特に眼症状併發2症例
佳吉 義級
1
1三菱化成黒崎工場三菱病院
pp.247-251
発行日 1950年6月1日
Published Date 1950/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200360
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本症は差して稀しい疾患ではない.最近引續いて4例を診たのであるが其の内の2例に眼症状を併發したから本症との因果關係を考察したいと考え,ここに報告して諸先賢の御批判を仰ぎたいと思う.
本症は乳幼児の腸障害のための異常腸内産生物質が吸牧されるために起る所の一種の自家中毒の症状であると説明されているが,如何なる物質であるか,それが直接原因であるか間接的に誘因となつているものかは明確にされていない.リツトル剥脱性皮膚炎と發生機轉を同じうするが如くに考えて來た人もある様であるが一般には後者は葡萄状球菌による外因を主としているものであつて明かに別個の疾患であると考えられている.ヴイタミンB2複合體が著効あるために一種のヴイタミン缺乏症であると見る人もある.次に示す4例はVit. B2を主としB6及びCで以つて治療し,三例は輕快又は治癒したものであつたがそのうち2例は治療の途中に眼症状を併發するに至つた.他科に轉療したのであるが其の内の1例は先天黴毒の疑のもとに驅黴療法を受けていたが遂に死亡した.
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