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先端巨大症に併發した腦廻轉状頭皮
黑田 和夫
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1東京大學醫學部附屬醫院分院皮膚科
pp.242-246
発行日 1948年12月1日
Published Date 1948/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200133
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腦廻轉状頭皮はしばしば精神退行者に見られると云ふ事から精神病醫の間では早くから知られ,既に1848年(Robert)にはその報告があるが,皮膚科領域に於ては衆知の如く,1906年Jadas-sohnがBernにて開かれた第9ドイツ皮膚科學會に於て,Eigentümliche Faltenbildungの標題のもとに報告した1例が最初のもので,Cutis verticis gyrataの名稱は翌1907年3例の症例報告を行つたP.G.Unnaによつてつけられたものである.なほCutis verticis striata(v.Verres),C.v.mammellonata (A. Pasini), C.capitis gyrata(Kraus),Pachydermie occipitale vorticellée(Audry)等の名があり,太田はその發生部位が頭部にのみ限局しないと云ふ事實からCutis gyrata(腦廻轉状皮)と云ふ名を提唱してゐる.この病因に關しては諸家によりいろいろの説があり,事實種々の全身性若くは局處性疾患を契機として生じ得るものである.就中發生原因の一つとみられる内分泌障碍は,他の原因に比し稍々特殊な地位を占めるやうに思はれる.著者は先端巨大症に併發した本症例を經驗したので,症例の報告と共に多少の考察を加へてみたいと思ふ.
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