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纎維素尿(腹水を併發せる症例)
岡 直友
1
1名古屋市立女子醫專皮膚泌尿器科
pp.148-152
発行日 1948年10月1日
Published Date 1948/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200106
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緒言
尿中にフイブリンの凝塊を混ずる状態を纎維素尿というがその凝塊が大きく、ために排尿障碍または尿閉を來たす際において、はじめて纎維素尿として治療の對象となる。排尿障碍の程度はいろいろで、患者は腹壓によつて「いもむし」様の凝塊を尿道口より排出して、はじめて排尿の目的を達することあり、また大きな凝塊のために完全尿閉を來して高位切開によりこれを除去せねばならぬ例も報告されている。纎維素凝塊は寒天様淡黄色あるいは肉色をなしている。纎維素尿の原因については、腎上皮細胞の機能異常、尿路の炎症があげられ、また乳糜尿と同樣リンパ管と尿路との交通が考えられる。ここに舉げる2例は最後者のそれである。その1例には腎盂注入療法後腹水を來した。
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