--------------------
泌尿器疾患における血清尿酸量に就て
持尾 長年
1
1九州大學醫學部泌尿器科教室
pp.244-246
発行日 1950年6月1日
Published Date 1950/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200359
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
1915年Straŭtzは血中尿酸測定の臨床的價値を述べ痛風性體質と食事との關係を除外すれば,腎疾患に於ては尿酸は腎臓からの排泄醗鬱滯を起すから血中尿酸過多を來し,或る程度腎臓機能判定竝びに豫後判斷に役立つ事を報告した.その後Kraŭtz(1922)の研究では絲毬體腎炎竝びに萎縮腎では血中尿酸量は上昇するが,ネフローゼでは正常であると言い,Mendelの研究もKraŭtzの成績と一致しているが,尚尿酸過多は腎疾患では血管系の障害を示し,その血中濃度が9mg/dl以上を示すと豫後不良なる事を認め,更に彼は血中尿酸の増量は殘餘窒素増加と平行關係はなく,急性腎炎ではます尿酸過多を來し,しかもこれは治癒後一番長く血中に殘る事を發表した.また1932年Kŭrtiは腎臓は内因性尿酸の主要な處理個所であり,尿酸過多は腎臓機能不全の初期徴候の一つであると言い,血中尿酸は殘餘窒素増加に先立つて増量すると述べた。同様な報告はその後Chauffard,Higley,Jeanbrau,Czoniczer,Lŭcke,Thannhaŭser等の追試によつて確認された.
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.