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マファルゾール及びペニシリン驅梅療法
谷奧 喜平
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1東京大學醫學部皮膚科教室
pp.26-30
発行日 1950年1月1日
Published Date 1950/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200297
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マファルゾール驅梅療法
我國でマファルゾールが使用され始めて約3年,その驅梅成績及び副作用の報告が最近續出している。一般にマファルゾール(以下マと略記)はその副作用サルワァルサン(以下サと略記)の夫れに比して輕微,治効に於てもサに優り,特に早期梅毒に於て然りと云はれている。著者は嚮きにマ副作用を檢討する意味でその血液像,血液の理化學的並に生化學的性状に及ぼす影響を求め,サに比しマの副作用の輕微なことを確かめた。今回茲には過去2年3カ月の間にマ(第一製藥)を以て擧げ得た驅梅成績を報告したい。
症例は東大皮膚科の外來並に入院患者で,感染後4年以内,早期椀毒と考へられる者141例,何れも治療開始前6ヵ月以内には驅梅療法を受けてゐず,今回マを以ての治療は血清ワ氏反應め完全陰轉する迄これを繼續したものである。マは1回量男子0.06g)第1回のみ0.03g),女子0.04g (第1回のみ0.02g)を隔2乃至3日で週2回靜注,これに併用させて次サリチール酸蒼鉛(第一製藥)週1回,1.5c.c筋注!これを第1群として第1期18,第2期21,潜伏梅毒25例に行つた。次にマ及び次サリチール酸蒼鉛の1回量はこれと同じく,但しマを隔日に週2回,次サリチール酸蒼鉛を隔4乃至5日に1回,これを第2群として第1期22,第2期28,潜伏梅毒27例に行つた。
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