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水性砒素剤ソルミノールに依る驅梅療法知見
平松 信夫
1
,
佐柳 太郎
1
,
本多 昇
1
1大阪警察病院皮膚泌尿器科
pp.63-65
発行日 1952年2月1日
Published Date 1952/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200668
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緒言
1910年Ehrlich及び秦によつて完成されたサルバルサンは,その驅梅效果顯著なものであつたが,使用に際して中和溶解する必要があり,その操作が煩雑であると同時に不慮の因をなしたことも少くなかつた。而してこの缺陥を除く爲に種々の研究が行われた結果,ネオサルバルサン,ネオネオサルバルサンの發見によつて中和の不便は無くなり,更にマファルゾールの出現によつて重篤なる中毒の危險は減じたが,未だ使用時溶解する不便は除かれるには至らす,又この不便を除くべく作られた水性砒素剤Sulfoxylsalvarsan,Solusal-varsan等はその驅梅效果及び副作用の點から廣く用いられるには至らなかつたのである。
然るに最近三共株式會社から發賣されるに至つた水性砒素剤ソルミノール(以下ソと略す)は之等の條件を満足させるものであるとされ,既に東,阿部兩氏,小堀,山田兩氏及び竹田氏等によりその臨床效果が報告されているが,當科に於てはソに依る驅梅效果を統計的に視察すると同時に,對照として戰後サルバルナンに替つて廣く用いられているマファルゾール(以下マと略す)の驅梅成績を統計的に視察し,兩者の優劣を比較検討して見たので,その結果を報告してみる。
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