臨床實驗
梅毒性視神経萎縮のペニシリン療法
遊佐 満
1
1東北大眼科
pp.371-372
発行日 1950年9月15日
Published Date 1950/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200669
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梅毒性視神経萎縮は,脊髓癆,タボパラリーゼ,進行麻痺等の合併症として認められるが,その発現率はIgersheimerによると脊髓癆では10-15%,Moore,Hahn, Woods, and Sloanによると,脊髓癆13.7%,タボパラリーゼ21.1%,進行麻痺2.4%となつていて,他の全身症状に先んじて現われる事が多く,瞳孔の異常と共に診断上重要な位置を占めている.
しかし乍ら,一旦その治療の点になると,從來行われて來た重金属類による駆梅療法,マラリア,ゴノワクチン,大腸菌ワクチン,腸チフス菌ワクチン等による発熱療法,Swift-Ellisの注射法等は未だ満足し得べき療法とは云い難く,ややもすれば,急速に,又は緩慢に萎縮が進行し,遂に失明に終る事が尠くない.
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