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ペニシリン膝關節腔内注射法治驗
北村 精一
1
,
德永 信三
1
,
矢村 卓夫
1
1長崎大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.14-16
発行日 1950年1月1日
Published Date 1950/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200294
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Penicillin療法に於いてPenicillinの血中有効濃度の時間的延長を計るために種々の方法があるが,其の一つにBagley等に依つて實施せられた膝關節腔内注射法がある。Bagleyは本法を100例に就いて實施し,其の内1例に於いては實に19回にわたつて繰返したにも不拘何等の障害も認めなかつたと云つている。又我が國の報告では橋本氏が20例について本法を實施し何等の副作用を經驗せず可成り滿足すべき成績を收めている。我々の教室でも從來行はれて來か分割筋注法が徒に其の方法煩雜で醫師並びに患者の負擔となる點に鑑み茲に本邦製Penicillinに依り本注射法を追試したので其の成績を報告する。
實施法使用したPenieillinは明治ワカモト,大東理研 "ナトリウム鹽"及びPenfcillin Gで1例に30萬單位,1例に10萬單位を使用せる以外は全部20萬單位を使用した。注射法は在來行はれたものは10萬單位を10ccの溜水に溶解し10時間の間隔を置いて膝關節腔内に注射するのであるが,橋本氏は0.5〜1.0%ノボカインを同時に併用している。我々は10萬單位を2〜3CCに溶かし使用した。尚ほノボカインの併用を試みた例もあるが,ノボカインを併用せざるものと大した差はなかつた。尚ほ10萬單位を10ccの溜水で溶かす方法も實施したが,我々の經驗で3乃至4ccに溶かすのが良い成績を得た。
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