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瘙痒性疾患に對するクウロニン(萬有)の治驗—特に小兒ストロンールス痒疹竝に小兒濕疹に就て
竹內 勝
1,2
1千葉醫科大學皮膚泌尿器科教室
2附屬醫專
pp.71-81
発行日 1947年4月1日
Published Date 1947/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200020
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(1)緒言
皮膚科領域に於ける疾患の自覺的症状としては瘙痒が最も主要なものであることは申す迄もない。而して共の重症にあつては患者に與ふる苦痛は屢々疼痛にも劣らぬ位である。故に全身的或は局所的に種々の療法が工夫せられて居る。大人の場合は諸種の方法も試みられ多くは效果があるが時に從來の治療では満足し得られないことも尠くない。然しながら乳幼児の瘙痒性疾患は從來の光線療法も注射療法(カルシユウム劑,ブローム劑等)も實施が仲々困難であり,往々充分なる手當を施し難く,從つて患兒の長期に亘る睡眠障碍は累を近親に迄及ぼし共の影響は輕視出來ないことが屡々ある。
最近萬有製藥株式會社はグルクロン酸カルシユームをクウロニンなる名稱にて發賣し,先きに藤田善吾博士は小兒ストロフールス乳幼見濕疹等に試みて卓效を報じたので,我教室に於ても早速之を追試し同様頗る滿足なる成績を得たので其大要を昭和17年12月第10同千葉皮膚科泌尿科集談會竝に昭和18年6月第250回日本皮膚科學會東京地方會に於て報告した。(其後戰時中印刷上の諸制約に影響せられて投稿の發表が今日に延引された)
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