特集 U40世代が描く心不全診療の現状と未来—基礎研究を識り,臨床を素心深考する
Ⅰ.心筋症
—基礎編—心アミロイドーシス:治療の奏効する患者群は予測できますか?—基礎研究の見地からみた心アミロイドーシスの病態と治療
山下 太郎
1,2,3
,
植田 光晴
1
,
安東 由喜雄
4
1熊本大学病院脳神経内科
2熊本大学病院神経難病診療体制構築事業
3熊本大学病院アミロイドーシス診療センター
4長崎国際大学アミロイドーシス病態解析学
pp.88-93
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200335
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Point
・アミロイドーシスとは,βシート構造を豊富に有する可溶性の蛋白質が,アミロイド線維を形成して,主として全身諸臓器に沈着し,機能障害を引き起こす疾患群である.
・近年,アミロイドーシスに対して,疾患修飾療法が確立しつつあり,早期の段階で迅速かつ正確に診断して診療できれば,心アミロイドーシスに対しても治療の奏効は期待できる.
・アミロイドーシスの病型診断は,厚労省研究班や,信州大第三内科,熊本大学病院アミロイドーシス診療センターなどで行っている.
・野生型ATTRアミロイドーシスにはTTR四量体安定化剤,遺伝性ATTRアミロイドーシスにはTTR四量体安定化剤と核酸医薬が認可されており,ALアミロイドーシスにはヒト型抗CD38モノクローナル抗体が第Ⅲ相臨床試験中である.
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