Japanese
English
Bedside Teaching
心アミロイドーシス
Cardiac Amyloidosis
大川 真一郎
1
Shin-ichiro Ohkawa
1
1東京都老人医療センター循環器科
1Division of Cardiology, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
pp.57-63
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901180
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
アミロイドーシスとは,アミロイドと呼ばれる異常蛋白が身体諸臓器の間質に沈着し,機能障害を起こす疾患群である.アミロイドの沈着は,ある臓器に限局していることもあれば,また全身的に認められる場合もある.心臓のアミロイド沈着は加齢とともに増加し,老年者の心臓(特に心房心内膜)では剖検心の約40%に認められるが1),その多くは心症状とは無関係である.心臓への高度のアミロイド沈着により心不全,伝導障害または急死などの心症状を来すものを「心アミロイドーシス」と定義すると2〜6),その頻度は非常に低く,自験老人心でも全剖検例の0.2%であった5).全身性のアミロイドーシスや心アミロイドーシスに対する決定的な治療法はなく,一度診断されると,まれに改善することはあっても,持続あるいは進行し臓器不全となり死に至ることが多い.ここでは心アミロイドーシスの特徴,診断につき自験例を中心に述べる.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.