Japanese
English
第1土曜特集 結核と非結核性抗酸菌症Up to Date――診断,治療,感染対策,発病予防
非結核性抗酸菌症
まれな肺非結核性抗酸菌症
NTM pulmonary disease due to less prevalent species
森本 耕三
1
Kozo MORIMOTO
1
1公益財団法人結核予防会複十字病院呼吸器センター,同臨床医学研究科
キーワード:
非結核性抗酸菌(NTM)
,
Mycobacterium xenopi(M. xenopi)
,
Mycobacterium lentiflavum(M. lentiflavum)
,
Mycobacterium gordonae(M. gordonae)
Keyword:
非結核性抗酸菌(NTM)
,
Mycobacterium xenopi(M. xenopi)
,
Mycobacterium lentiflavum(M. lentiflavum)
,
Mycobacterium gordonae(M. gordonae)
pp.727-730
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28006727
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
本稿では,国際診療ガイドラインの対象菌種に加わったMycobacterium xenopi(M. xenopi)の推奨内容を紹介し,さらにM. lentiflavum,M. gordonaeおよびM. fortuitumを取り上げた.M. xenopiは,日本ではまれである.近年の研究により,治療反応性は比較的良好であり,予後を左右するのは基礎疾患の影響であることが明らかになっている.M. xenopi以外の3菌種は,差異はあるが基本的には弱毒菌と考えてよい.2回培養陽性であっても診断とせず,繰り返し菌検査を行いつつ,画像,症状,他疾患の否定などを行って総合的に診断を行う必要がある.M. gordonaeの項では,他の弱毒菌にも適応可能な菌の基準案を紹介した.M. fortuitumはフルオロキノロン薬など内服薬に感受性を示すと報告されているが,マクロライドには耐性であり,この2剤投与によりフルオロキノロンを耐性化させないように注意が必要である.M. lentiflavumおよびM. gordonaeは難治例の報告は乏しく,治療開始の判断は肺Mycobacterium avium complex(MAC)症に準じて慎重に判断する.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.