扉
医療問題
渡邉 一夫
1
1財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院
pp.1155-1156
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902295
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戦後,1948年に医療の基本を規定した「医療法」が制定され,1961年世界に冠たる「国民皆保険」制度がスタート,日本は所得倍増の高度経済成長の道をひた走ってきた.その間,1966年に国民健康保険法改正により患者の自己負担率が5割から3割に,1973年には老人医療費の無料化がなされたが,高齢化率が上がるとともに老人医療費が高騰し,1982年に老人医療費を全国民で負担する老人保健法が制定された.
その後少子超高齢化時代が一段と加速したが,国民皆保険の根幹をなす診療報酬制度の根本的改革を先送りしてきた結果,財政的に危機的状況に陥り,2000年4月1日より介護保険制度が導入された.そして今国会(2002年5月)でサラリーマンの受診負担額の3割負担が決まり約4,000億円の財源を得ようとしている.また低所得者を含めた高齢者の窓口負担も大幅に増加を強いられ2,000億円を,さらに保険料もボーナスを含めてアップし5,700億円を捻出しようとしている.その他,差額ベッド料や,180日以上入院したときには毎月4〜5万円以上の保険外負担を求めるなどの医療改革法案が通過した.
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