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I.はじめに
近年,中枢神経への神経組織の移植実験が盛んに行われるようになり,神経細胞の分化,生長,再生,シナプスの形成などの基礎的問題の検討がなされている.また中枢神経の機能低下を神経組織の移植により改善させようとする試みも数多く行われ,特にパーキンソン病においては臨床的にも試みられている1,13).神経組織の移植においては移植された組織(移植片)が単に生着するだけでなく,移植片と宿主との問にシナプスを介した線維結合が形成されることが機能回復のためには重要な点であると思われる,動物実験では,黒質線条体系6,10,16),海馬への透明中隔の移植4,17),セロトニン破壊ラットに対する胎仔縫線核の移植21),新生児ラット大脳への胎仔大脳皮質の移植7-9,11,15)などにおいて移植片と宿主の線維連絡が可能であることが示されClarkeら10)は,電顕的に宿主の黒質線条体系と線条体移植片の間のシナプスの形成を確認している.このような実験系は,宿主と移植片の間に解剖学的に特異的な関係があるものが大部分であった.一方,移植片を本来解剖学的連絡のない組織に移植した場合の移植片と宿主の線維連絡形成については十分に検討されていない.
Abstract
Fifteen-day-old embryonic neocortical tissue was transplanted into the mature cerebella of normal adult rats (Fischer 344) heterotopically. After 5-8 months, WGA-HRP was injected into the host inferior olivary nucleus, pontine raphe, pontine nuclei, and neocortical transplants, 0.3μl, 0.2μl and 0.05μl respectively. The animals were sacrificed 48 hours later, and the HRP positive neuron and nerve fibers were examined in the transplants and host brain stem. Other animals were sacrificed for anti-dopamine-β-hydroxylase immunohis-tochemical study and electron microscopic observation.
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