Japanese
English
連載 臨床研究の知識update
(1)利用目的から考える個人情報保護—医療・医学研究から商業利用まで
(1)Different Uses of Personal Health Information and its Protection:From Medical Use to Commercial Use
田代 志門
1
Shimon TASHIRO
1
1国立がん研究センター社会と健康研究センター生命倫理・医事法研究部
1Division of Bioethics and Healthcare Law, Center for Public Health Sciences, National Cancer Center
キーワード:
medical information
,
individual identification code
,
special care-required personal information
,
tacit consent
,
opt-out
Keyword:
medical information
,
individual identification code
,
special care-required personal information
,
tacit consent
,
opt-out
pp.241-248
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203924
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Ⅰ.現場の事例から
まずは具体的な事例から考えてみたい.あなたは総合病院に勤務している医師であり,ある医療機器メーカーからパンフレットや展示で使用したいので,病院で実際にその機器を使って撮像したさまざまな画像をまとめて提供してほしい,と持ち掛けられたとする.こんなとき,どう対応すべきだろうか.
まずどの医師でも考えるのは,仮に渡すにしても,画像そのものから患者が特定できそうなものはまずい,ということだろう.例えば,頭部のCTの断層撮影情報は再構成すれば顔画像が作れてしまうので,やめたほうがよいかもしれない.また,DICOM画像の場合,タグ情報に患者IDや氏名,生年月日などが含まれているので,このあたりは渡すにしても削除する必要がある.いずれにしても,渡す場合には一定の加工が必要だし,直接個人が特定できそうなものは渡せないだろう,というのが1点目である.これはこれで正しい.
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