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編集後記
寳金 清博
pp.954
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203845
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この編集後記は,節電で真っ暗な病院長室で,パソコンスクリーンの仄蒼い反射光を顔面に浴びながら,書いている.誰か事情を知らない人が見れば,何者かが憑依した鬼気迫る狂気を感じるかもしれない.9月6日の午前3時8分に発災した北海道胆振東部地震の後,20%節電という過酷な状況の中で,息を潜めて生きている.
もともと,微々たるものであるが,「霊感」がある.実際には,何も見たことはない.この大地震でさえ,予知どころか,大揺れで家族がみんな悲鳴を上げてから,ごそごそとベッドから這い出て呆れられた有様である.筋金入りの霊能者から見れば,笑止千万である.強いて言えば,何者か,人智の及ばぬものの存在を感じる感性があり,それに対する畏怖の念は人一倍強いのである.だから,時々,言うに言われぬ畏怖感覚に囚われる.過去の記録を遥かに超える凶暴な台風,想像を超えた大雨,果ては,連発する大地震……こんな天変地異が続けば,凡人ですら,人智を超えた自然の脅威に恐怖する.まして,この小心者の霊能者にとって,最近のこの世の有様は,本当に人間の無力さをまざまざと見せつけられ,震撼するしかない.
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