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編集後記
寳金 清博
pp.404
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102234
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最近は,ヒーローが一転してマスコミの罵詈雑言の標的となるスピードがあまりに速く,この編集後記が,読者の目に触れる頃には,一体どんなことになっているかわからない.とは言え,例のSTAP細胞の件で,サヨナラ逆転満塁ホームランはないだろうと思う.
最近は,いたるところで論文の誓約書を書かされる.内容は,①捏造,②改竄,③盗用(剽窃)の3大不正行為に言及している.特に,①と②は,データに関わることである.現代科学において,「データ」は「神」である(宗教的な意味ではなく,絶対的な原点という程度の意味).この不正行為が厳しく糾弾されるのは,科学における「神」への冒涜だからである.不正行為にランキングもないかと思うが,③の「盗用(剽窃)」は,①,②に比べると,神への冒涜とまではいかない.微分積分学の確立に関しても,ニュートンとライプニッツの剽窃問題は,今も,英独間で決着がついていないが,ある意味,かわいいものである.Creditがどちらにあろうと,微分積分学が人類の福祉に貢献したことに疑問の余地はない.
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