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編集後記
高安 正和
pp.270
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203715
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この編集後記を執筆しているのは2018年平昌冬季オリンピック・パラリンピック開催を間近に控えた時期です.これまで少し盛り上がりに欠けた感がありましたが,ここに来てオリンピックの前哨戦での日本人選手の活躍が次々に伝えられるようになり,たいへん楽しみになってきました.本誌がお手元に届く頃には日本人選手の活躍で日本中がわき返っていることを期待しています.
さて,本号の「扉」では山田正三先生が,ご専門の間脳下垂体外科の歴史についてご寄稿されています.興味深く拝読させていただきました.その中でmicroscopic TSSから内視鏡導入への経緯,新たな技術の習得にあたっての問題点が述べられています.同様なことは脊髄外科の分野においても起きています.1990年代後半にはtube retractorに内視鏡をセットして腰椎椎間板ヘルニア切除を行うシステム(microendoscopic lumbar discectomy:MED)が米国から導入されました.この際は脳神経外科医にとっての顕微鏡手術の優位性は変わらず,本システムは整形外科の脊椎グループの一部に普及したにとどまりました.しかし,2010年代に入るとworking channelを持つ7〜8mmの内視鏡を用いた経皮的なシステム(percutaneous endoscopic lumbar discectomy:PELD)が導入され,小皮切・小侵襲であることやアクセスルートの多様性などのメリットから脳神経外科医にも有用性が認識され,現在,技術の習得をどうするかが問題になっています.
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