Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
ニューロナビゲーター
Neuronavigator
渡辺 英寿
1
Eiju WATANABE
1
1東京警察病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Metropolitan Police Hospital
キーワード:
Microcomputer
,
Stereotactic surgery
,
Robot
Keyword:
Microcomputer
,
Stereotactic surgery
,
Robot
pp.1097-1103
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202923
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I.はじめに
CTスキャンやMRIなどのような,コンピュータを用いた画像診断装置の登場によって,脳神経外科領域における診断法は画期的な進歩を遂げた.これらのコンピュータを用いた画像診断法は,一連の2次元断面画像として表示されるのが通例であるが,断面上にX軸Y軸を,断面に垂直にZ軸を想定すると,これはとりもなおさず頭蓋内構造が3次元座標として表わされていることにほかならない.われわれはこのことを通常,無意識のうちに了解し,3次元的な観点から日常の読影を行っているわけである.しかしCTの持つこのような3次元情報を,より積極的な形で利用する手段として,CTの3次元再構成法などが既に実用化の兆をみせている3,4,10).また,同様の情報を手術中に活用する分野にCT定位脳手術法があり,やはり近年飛躍的に開発が進んでいる2,5,6).この方法の詳細はすでに本シリーズにも伊関による解説がある5).
この方法により穿頭孔からCTで観測される脳腫瘍あるいは脳内血腫を目標にして穿刺針を挿入し,腫瘍生検や血腫吸引除去を,かなりの精度で行うことができる.しかしこれらのCT定位法は穿頭孔からの穿刺針誘導には適しているが,従来の開頭術に用いることは,はなはだ困難である.患者の頭部と穿刺針保持器を固定するフレームが邪魔になるためである.
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