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I.はじめに
頭蓋底正中深部に発生する脊索腫は緩徐に発育するため,症状発現あるいは診断時にはすでに大きく成長していることが多い.腫瘍は周囲の骨,硬膜組織を浸潤破壊して発育し9,17),しかも放射線照射や化学療法に抵抗性であり,ときに血行性6)あるいは髄液を介して転移すること16)も知られている.したがって早い時期に手術によって全摘出するのが最良の方法であるが,腫瘍の発育様式,解剖学的位置,手術手技などの問題からそれは非常に困難である.その治療成績を少しでも向上させるために,この部位の脊索腫に対し種々のアプローチ法が試みられてきた.
われわれはtranscervical approach(2回)およびtrans—oral approach(1回)で可及的に腫瘍摘出を試みた斜台—第3頸椎脊索腫の1例を経験したので,これらアプローチ法について考察を加えるとともに,MRI診断の有用性についても報告する.
The patient, a 48-year-old man, was first admitted in 1981 for the chief complaints of retropharyngeal tumor and anosmia. Computerized tomography scan dis-closed destruction of the lower half of the clivus and retropharyngeal tumor predominantly located in the third prevertebral region. The tumor was removed partially via the transcervical approach and was histolo-gically a typical chordoma.
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