Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
斜台腫瘍への頭蓋底アプローチ
Skull Base Approaches for Clival Tumors
河瀬 斌
1
Takeshi KAWASE
1
1慶応義塾大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Keio University School of Medicine
キーワード:
Clival tumor
,
Meningioma
,
Chordoma
,
Transpetrosal approach
,
Transoral approach
Keyword:
Clival tumor
,
Meningioma
,
Chordoma
,
Transpetrosal approach
,
Transoral approach
pp.121-128
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436900021
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I.はじめに
斜台への手術アプローチは三方向に大別される.すなわち,中頭蓋窩経由の a)subtemporal-transtentorial ap—proachおよび b)transpetrosal-transtentorial approach,後頭蓋窩経由の c)suboccipital approach,そして前方からの d)transsphenoidal approachおよび e)transoralapproachである.このうちa),c)は最も一般的な方法であるがいずれも視野が狭く十分な腫瘍郭清を行えないことが多い.また脳幹や脳神経の牽引による損傷を来たすことも多い.最も一般的な髄膜腫ではまた頭蓋底骨や硬膜に広く侵入することが多く,これらを除去できないアプローチでは頭蓋内に突出した部分を郭清したとしても根治されたとは言い難い.一方,脊索腫はその大部分が硬膜外腫瘍で硬膜が自然の防壁となっているため,硬膜を切ってアプローチすることは再発を生じた場合に不利と考えられる.ここではこの欠点を補うtranspetro—sal-transtentorial approachおよびcombined transsphe—noidal-transpalatal approachを紹介する.
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