Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
松果体腫瘍の手術
Surgery of Pineal Tumors:Anatomical consideration of various approaches
佐野 圭司
1
Keiji SANO
1
1帝京大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Teikyo University
キーワード:
Pineal tumors
,
Surgery of pineal tumor
,
Velum interpositum
Keyword:
Pineal tumors
,
Surgery of pineal tumor
,
Velum interpositum
pp.1119-1129
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201906
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I.はじめに
最初に松果体腫瘍を摘出しようとこころみたのは多分Horsley(1910)7)と思われる.かれはinfratentorial ap-proachをとったが結果が悪かったので,supratentorial approachをすすめている.1913年Krause17)はOppen-heimにより診断された10歳男子の四丘体部の巨大な腫瘍をinfratentorial supracerebellar approachにより摘出するのに成功した.組織学的には腫瘍はFibrosar-komあるいはgemischtzelliges Sarkomであったという.おそらくpineal teratomaではなかったかと思われる.この症例は少くも第1次大戦までは健在であったという10).1926年の報告10)でKrauseは同様なapproachにより手術した症例を2例追加したが,これらでは腫瘍の摘出は不成功に終わったと言っている.同様なap-proachは1956年Zapletal34)により報告された.かれは各1例の四丘体部のastrocytoma,上虫部のmedullo-blastoma,松果体部のepidermoid,pinealomaを手術したが,最後のもののみ摘出に成功したとのべている.
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