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I.はじめに
総頸動脈が内頸動脈と外頸動脈に分かれる分岐部には,さまざまな奇形や異型がみられることは,古くからよく知られている6),特に従来非常に稀とされてきた外頸動脈外側位1,3,4,10,11)は,最近それほど稀なものではないということが認められるようになってきた.しかし,この変化は臨床的には従来あまり意義がないと考えられており,これが原因で神経症状を呈したとする報告は極めて稀であり6),それに基因した脳神経麻痺がみられたという報告は見当たらない.一方,頸部頸動脈の拡張を伴う蛇行性変化あるいは屈曲といった病態はかなりの頻度でみられるが,これにより脳神経が障害されたとする報告も極めて稀である8,12).われわれは,外頸動脈外側位,内頸動脈—外頸動脈分岐部高位,さらに内頸動脈の拡張を伴う蛇行性変化が合併することにより生じたと思われる末梢性舌下神経麻痺の1例を経験し,手術により治癒せしめえたので報告する.
It is known that there are a number of variationand anomalies in the bifurcation of the external andinternal carotid arteries. It has also been reportedthat the lateral position of the external carotidartery,which was formerly considered extremely rare, is notso unusual. However, there are few reports that thelateral position of the external carotid artery hascaused neurological signs.
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