Japanese
English
総説
てんかん焦点の生理
Neurophysiology of Epileptic Focus.
石島 武一
1
Buichi ISHIJIMA
1
1東京都立神経病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tokyo Metropolitan Neurological Hospital
キーワード:
Penicillin epilepsy
,
Alumina-epilepsy
,
Human epilepsy
,
Unit recording
,
Positron emission computerized tomograpy
Keyword:
Penicillin epilepsy
,
Alumina-epilepsy
,
Human epilepsy
,
Unit recording
,
Positron emission computerized tomograpy
pp.799-812
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201545
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I.はじめに
てんかん発作の本質は大脳灰白質の"discharging le-sion"からの突然起こる過剰な,そして急激な発射である—とは,J.Hughlings-Jackson45)の言葉である.1937年AdrianとMorruzi1)は実験てんかんで,皮質発射を錐体路で捕えることによりこれを証明した.一方,1932年のBergerによる脳波の発見以来,てんかんと脳波の異常波との対応が発見され,てんかん研究が急速に発達した.今日,一次性全汎発作を示すものが,はたして"discharging lesion"つまり発作の源になる部位,いいかえれば焦点をもつのかどうかは議論のあるところである.しかし,全汎性にみえる発作が焦点性である場合もあり8),またdischarging lesionは何も1ヵ所である必要はなく,多発性焦点を考えれば,今日の知見はJacksonの説と矛盾しないどころか,ますます真実性が高まっているといえよう.
さて,てんかんが焦点から起こるとすれば,そこの神経細胞にどんな変化が起こっているのかということが当然問題になる.微小電極法の発達は,この問題解明のための有力な武器を与えてくれるものであった.
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