特集 一般小児科医のための小児てんかん診療ガイド
3.頻度の高い小児の焦点てんかん
金村 英秋
1
1東邦大学医療センター佐倉病院小児科
キーワード:
中心・側頭部に棘波をもつ小児てんかん
,
Panayiotopoulos症候群
,
ローランド波
,
自然終息性
,
認知・行動障害
Keyword:
中心・側頭部に棘波をもつ小児てんかん
,
Panayiotopoulos症候群
,
ローランド波
,
自然終息性
,
認知・行動障害
pp.958-966
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002275
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小児焦点てんかんの代表的なものに中心・側頭部に棘波をもつ小児てんかん(CECTS)やPanayiotopoulos症候群(PS)が挙げられる.CECTSは入眠期・覚醒前に多く出現する片側顔面から始まる焦点発作を有し,睡眠賦活で頻度が増加するローランド波(RD)が脳波の特徴である.PSは発作性嘔吐症状から自律神経症状に移行する発作を有し,RDに類似したてんかん性突発波が年齢依存性に移動性・多焦点性のパターンを示す.
レベチラセタムやバルプロ酸などで2年発作が抑制されれば,脳波異常が残存していても漸減中止を考慮する.しかし,発作予後は良好だが認知・行動発達に影響が及ぶ症例も存在し,発達予後の観点から発作・脳波所見をとらえていくことが重要である.
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