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Ⅰ.はじめに
乳幼児水頭症のシャント術後に短絡管が閉塞しても,何ら症状を呈さない場合,shunt independent arrest(Holtzer)4)と呼ばれている.本状態には,transependymal absorptionなどにより,髄液の産生吸収のバランスがとれている代償性水頭症の程度の軽いもの,または髄液流通路の閉塞が何らかの機転により解除したcured hydrocephalusの両者が含まれるものと考えられる.この様な症例に対しては,不要となったシャントの抜去術も行われている.
最近,シャントのチェックバルブを検討した時には作動しているように見えても,その他の診察時には,シャントは非作動状態であり,患者の一般状態も良好であるために,シャント管を遮断してみたところ,極めて強いシャント依存性を呈し,症状の急変をみた2例を経験した.これらの原因となったメカニズム,更に乳幼児水頭症術後における脳外套増大とシャント依存状態との関係について検討考察を加えた.
We report two cases of high shunt dependency, which were first thought to be shunt independent arrested hydrocephalus.
Though their shunt systems didn't seem to work, symptoms of rapid increasing intracranial pressure were observed after obstruction or replacement of shunt tube.
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