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Ⅰ.はじめに
妊娠中における脳出血(特にくも膜下出血)の報告は,文献上散見されるが1,2,3,4,5),本邦における報告は稀れである.特にその外科的治療については,妊娠という特殊な状況下のため,治療上種々の制約があり,また産科医と脳外科医との間で,妊娠を継続し出産を優先すべきか,あるいは,脳出血の治療を優先すべきか,その意見を異にすることがある.従って,脳外科医として,この種の症例に遭遇した場合,産科医の意見を求めるのは当然であるとしてもこの治療に際しては,脳外科医として一貫した治療方針が要求されるものと考えられる.われわれは過去5年間に5例の妊娠中における脳出血症例を経験したので,その5例の臨床所見,外科的治療,および妊娠と脳出血との関係について文献的考察を加えて報告すると共に,5例の経験をもとにして,われわれ脳外科医がかかる症例にいかに対処すべきかを論じてみたい.
Cerebro-vascular accident is an uncommon but formidable complication of pregnancy. Faced with these cases, the neurosurgeon and obstetrician might differ in the planning of the treatment, when the interests of mother and child appear to conflict between them.
From our clinical data of 5 cases and review of the literatures, the following points should be considered for the management of a cerebro-vascular accident durcallying pregnancy.
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