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Ⅰ.緒言
髄液の化学的成分より,頭蓋内疾患をうかがい知ろうとする研究は,歴史的にかなり古いものである.ところが近年,アイソザイム・パターンを含めた酵素活性の測定や免疫化学的分析の導入により,著しく進歩した.
しかし現在までのところ,髄液の化学的成分共り,脳細胞における核酸代謝をみようとする試みは,最近cyclic nucleotideの測定1,8,9)が初められたものの,臨床的にはまだあまり行なわれていない.そこで,血清において日常測定されている尿酸が,核酸の構成成分であるプリン体の最終代謝産物であることに注目し,髄液中尿酸値の測定が,脳細胞における核酸のturnoverおよび脳細胞破壊の程度を示す一指標にならないであろうかと考えた.このような観点から,まず髄液中尿酸値の正常範囲設定を行ない,さらに各種神経疾患を対象として研究を進めた.
Uric acid is the end-product of purine metabolism, and purines are the nitrogenous bases derived from the breakdown of nucleic acids. The CSF uric acid level is thought to be the index of the turnover of the nucleic acid and the degree of the cellular destruction in the brain. CSF uric acid levels were investigated in normal controls (30 cases) and in patients with brain tumor (20 cases). microcephalus (8 cases) and craniostenosis (4 cases).
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