Japanese
English
総説
頭部外傷におけるCT所見の分析
Analysis of CT Findings in Acute Head Injury
山浦 晶
1
,
小野 純一
2
,
中村 孝雄
1
,
有賀 直文
3
,
堀江 武
1
,
篠原 義賢
2
,
礒部 勝見
2
,
国保 能彦
3
,
牧野 博安
1
Akira YAMAURA
1
,
Junichi ONO
2
,
Takao NAKAMURA
1
,
Naofumi ARIGA
3
,
Takeshi HORIE
1
,
Yoshikata SHINOHARA
2
,
Katsumi ISOBE
2
,
Yoshihiko KOKUBO
3
,
Hiroyasu MAKINO
1
1千葉大学脳神経外科
2君津中央病院脳神経外科
3成田日赤病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Facuhy of Medicine, Chiba University
2Department of Neurosurgery, Kimitsu Central Hospital
3Department of Neurosurgery, Narita Red Cross Hospital
キーワード:
Computerized tomography
,
Head injury
,
Cerebral contusion
,
Intracranial hematoma
Keyword:
Computerized tomography
,
Head injury
,
Cerebral contusion
,
Intracranial hematoma
pp.789-802
発行日 1980年9月10日
Published Date 1980/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201200
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
頭部外傷の診内と治療においてcomputerized tomography(CT)の果たす役割にははかり知れないものがある.比較的微量のX線効果を除いて,極めて低侵襲性であり,これまで補助検査としては専ら脳血管撮影や超音波検査にたよってきた急性硬膜下血腫や硬膜外血腫等の脳実質外血腫の発見に威力を発揮するばかりでなく,脳実質の損傷もCTは異常なX線吸収度値を有する領域として描出することが可能である.容易に繰返して検査することが可能であるため,これまでいかなる方法でも知りえなかったダイナミックな頭蓋内変化24,43)を示してくれるCTは,脳外傷の研究—特に脳実質損傷のnatural historyについて—にはいまや欠くべからざる手段となっている.
またCTの改良と普及には目ざましいものがあり,今日では日本は米国に次いで世界で第2のCT保有国となった.頭部外傷に関するCTの研究も,頭部外傷をCTを通して観察することの目新しさや驚きが報告の動機となった時代を経て,充分に積み重ねられた経験をじっくり整理分析する時代に至っている.この整理された知識が頭部外傷におけるCT判読の常識として第一線の頭部外傷の治療で活かされることになろう.本文においては,頭部外傷のCTの所見を,充分に吟味した最近の文献と,われわれの症例の分析から43)詳述してゆく.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.