Japanese
English
手術手技
Blow-out Fractureの手術
Surgical Treatment of the Orbital Blow-out Fracture
早川 勲
1
Isao HAYAKAWA
1
1東京都立墨東病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Bokuto Municipal Hospital of Metropolitan Tokyo
キーワード:
Operative technique
,
Head injury
,
Diplopia
Keyword:
Operative technique
,
Head injury
,
Diplopia
pp.933-940
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200518
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Ⅰ.はじめに
われわれ脳神経外科医が日常よく接する頭部外傷患者には,思いがけない病像をもったものがある.臨床検査の第一歩は文字通りstatus presensから始るが,外来を訪れる頭部外傷患者を気楽に診て,この鉄則をないがしろにすると思わぬ見落しをする.眼窩(底)破裂骨折blow-out fracture of orbitもそのような,うかつに診ると見落しを気づかずに過される頭部外傷に伴った病像の1つとみることができよう.しかし,その臨床像はきわめて興味深く,欧米でも比較的近年にいたって注目されたものである2,3,11,12,15,17).
頭部外傷に伴った眼窩損傷は決して珍らしいものではないが,そのうちのおおよそ2/3は視障害や視野欠損などの視神経障害で,残りの約1/3が複視や眼球偏位などである7).このうち複視(眼球運動障害)は従来ややもすると動眼,滑車,外転神経など眼球運動神経の障害にその原因が求められていたきらいがある.たしかにそのような症例も少なくないが,軽微な頭部外傷でかかる原因の求め方はいささか不自然であり,他に原因を求めるのは当然であった.1943年,Pfeiffer11)は眼窩底骨折という機械的原因にもとつく眼球運動障害をはじめて記載した.
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