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Ⅰ.はじめに
Glioblastoma(GBM)は星細胞系腫瘍群で最も予後の悪い腫瘍型で,脳内を浸潤性破壊性に増殖する.90%以上は前病変なく発生するprimary GBMであるが,残りはdiffuse astrocytomaやanaplastic astrocytomaから悪性転化するsecondary GBMで,より若年層に発生する.分子生物学的にはprimary GBMはEGFRの過剰発現や増幅,PTENの欠失などが高頻度にみられるが,secondary GBMではp53変異が高率に検出される.またIDH1変異はsecondary GBMで高率にみられるが,primary GBMではほとんど認められない.
GBMの亜型としてoligodendroglioma成分を伴う症例があり,GBM with oligodendroglial component(GBMO)と呼ばれている.GBMOはanaplastic oligoastrocytomaのastrocytic tumor部分に壊死が存在する場合,WHO 2007分類からGBMに分類されている11).しかし近年,通常のGBMに乏突起膠腫成分を認める腫瘍をGBMOと呼ぶ傾向が強くなり,未だGBMOの概念や予後については議論のあるところである.
すなわちGBMOにおける腫瘍の起源や予後については,さまざまな施設より報告が相次いでいるが,未だ混沌としており一致した見解はみられていない.
今回われわれは自験例のGBMO 9例において,種々のマーカーを免疫染色およびFISH法を行い,予後も含めてconventional GBM(cGBM)と比較検討したので報告するとともに,過去のGBMOに関する文献的考察を行い,現時点における本腫瘍の起源と予後についてまとめてみた.
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