読者からの手紙
スポーツによる脳振盪の発生状況の把握に脳神経外科医が果たすべき役割
藤原 一枝
1
1東京都立墨東病院脳神経外科
pp.871,872
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102334
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日本脳神経外科学会は,第72回学術総会(2013年10月16~18日)での医師向けの緊急提言に続き,「スポーツによる脳損傷を予防するための提言」2)を社会に向けて発表しました.それを受けて,文部科学省はすぐに各教育委員会・学校に通達を出し,マスコミにも取り上げられることが多くなり,2014年は日本においては「脳振盪元年」ともいえる年だと感じています.そのような時期に本誌に掲載された,日本脳神経外傷学会のスポーツ頭部外傷検討委員会委員長の永廣信治先生の広範囲を網羅した総説「スポーツ頭部外傷における脳振盪の意義と対応(No Shinkei Geka 42(5):409-418, 2014)」に感銘を受けつつ,勉強させていただきました.
本論文のなかで今後の課題として,「外傷例の登録研究や疫学調査,ある競技集団に特化した前向き調査研究など」を挙げられています.米国でのスポーツ外傷における脳振盪の推定発生数や頻度に比べ,日本で医療として把握されている脳振盪数がかなり少ないので,このご意見に賛成です.
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