連載 リレーエッセイ 医療の現場から
「その頭痛は脳振盪です」
藤原 一枝
1,2
1藤原QOL研究所
2都立墨東病院脳神経外科
pp.671
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102336
- 有料閲覧
- 文献概要
筆者は小児の脳神経外科が専門である.
2012年5月22日の読売新聞「医療ルネサンス」欄に,柔道練習中の事故が紹介されていた.2007年,中学1年生が通っている道場で投げ技をかけられ,畳に頭を強打した.続けて投げられた際に頭痛を訴えたが,指導者は練習を続行.3回目に投げられた後に意識消失し,急性硬膜下血腫の緊急手術を受けたが死亡した.父親は「頭を痛がった時点(筆者注:2度目に投げられた後)で医療機関を受診していれば,命は助かったかもしれません」と悔やんでいた.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.