Japanese
English
総説
脳神経外科リハビリテーションにおけるロボティクス技術の応用
Application of Robotics for Neurosurgical Rehabilitation
中井 啓
1
,
松村 明
1
Kei NAKAI
1
,
Akira MATSUMURA
1
1筑波大学医学医療系臨床医学域脳神経外科学
1Department of Neurosurgery, Faculty of Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
rehabilitation
,
robotics
,
human-robot interaction
Keyword:
rehabilitation
,
robotics
,
human-robot interaction
pp.605-613
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102281
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Ⅰ.リハビリテーションとロボティクス
リハビリテーションでは,内科や外科といった各診療科を横断的に診察/治療する.疾病ではなく障害を対象としているため,その概念や手法は,通常の内科的治療,外科的治療とは異なり,また評価基準も独自のものが存在する2).神経系の病気,なかでも脳卒中は,本邦の死亡原因第3位こそ肺炎にゆずったものの,依然として罹患患者の数,また生活に支障を来す症状の割合が高いため,高齢化社会の進行,急性期,回復期リハビリテーションの広がりとともに,リハビリテーションのなかでも大きな割合を占めている.
片麻痺に代表される脳卒中による運動麻痺などの神経症状は,一般的に急性期から維持期まで緩やかに回復し,次第に頭打ちとなり7),disabilityの程度は確定していくとされている.したがって,これまでの神経疾患に対するリハビリテーションは,利き手交換など,残存機能による代償手段の獲得が中心であった.しかし,近年,神経科学による検証が進められ,適切なリハビリテーションによって,損傷された神経回路を迂回するような新しい回路を再構成し,機能回復が可能であるという脳の可塑性が動物実験で証明されており22),これに対応した新しいリハビリテーション手法,評価方法の開発が求められている.
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