扉
何のために働くのか
河野 道宏
1
1東京医科大学脳神経外科
pp.603-604
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102280
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最近,巻頭言やエッセイを書く機会をいただくようになってきた1,2).今回は以前から私が考えてきたことを書かせていただきたいと思う.
何のために働くのか? こう問われて何と答えるだろうか.多分,「いやあ,今までそんなこと考えたことなかったなあ.まいったな」という答えが,私を含めて大半を占めるのではないだろうか.あるいは,「そりゃ,生活のために決まってんだろ!」であろうか.『何のために働くのか』これは,SBIホールディングス株式会社代表取締役の北尾吉孝氏の本のタイトルである(致知出版社).6年前にこの本を読み,自分ではどんな答えを出せるのかを考えてきた.北尾氏の考えは,仕事には困難や辛苦があるからこそチャレンジのしがいがあり,それをやり遂げることによって人間的に成長し,より器が大きくなれる,というものである.人間は仕事を通じて自分自身の人間性と魂を磨き,高めていくことができ,仕事の対価(見返り)は,人間的に成長できることと,人との「ご縁」であるとしている.仕事をやり遂げるうえで欠かせないものは「憤」の一字であり,負けじ魂が出てこないと本物にはなれない.「なせばなる」という前向きの考え方,「なさねばならない」という強い意志をもつことが大切であり,一分一秒たりとも無駄にすることはできないとしている.
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