Japanese
English
総説
MRI firstによる頭痛診断
MRI Diagnosis of Patients with Headache
下田 雅美
1
Masami SHIMODA
1
1Department of Neurosurgery,Tokai University Hachioji Hospital
キーワード:
headache
,
magnetic resonance imaging (MRI)
,
diagnosis
Keyword:
headache
,
magnetic resonance imaging (MRI)
,
diagnosis
pp.325-341
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100919
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Ⅰ.はじめに
急性発症の頭痛患者における画像診断は,くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)などの出血性病変と頭蓋内占拠性病変の診断を目的に,従来からCT検査を第一選択としてきた.しかし,最近,CTでは検出困難な頭痛の原因病態が解明され,頭痛の初期診療の段階で,magnetic resonance imaging(MRI)が必要な場合も少なからず経験する.また,既にtissue plasminogen activatorなどの超急性期の脳梗塞治療が広く普及し,特に脳卒中センターにおける診療体制では,急性期脳梗塞の診断を優先するために,MRIを画像診断の第一選択とする施設が多くなりつつある.したがって,臨床医は「とりあえずのCT」を経由せずに,MRI所見により少なくとも一般的な頭蓋内病変を的確に診断する必要がある.
今回,日常の頭痛診療の中でMRI firstで検査したがゆえに異常所見と混同しやすい正常変異(normal variation),最も危険な頭痛として見逃してはいけないSAHとMRI上鑑別すべき疾患など,日常的な頭痛疾患を中心としてMRI所見を解説する.なお,MRI上,比較的容易に存在診断が可能な脳腫瘍・外傷性病変,さらに低髄液圧症候群の記載は他稿に譲った.
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