扉
脊髄外科指導医が腰部脊柱管狭窄症になって考えたこと
阿部 俊昭
1
Toshiaki ABE
1
1東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座
pp.429-430
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100523
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「医師は自分が専門にしている病気にかかりやすい」という言葉をよく耳にする.まったく根拠がない話と笑っていたが,昨年5月そのことが現実となった.
北海道にてゴルフプレー中,ティーショットを打ったところ,腰部から右下肢に放散する電撃痛があり,プレーを続行することができなくなった.翌日,北海道大学の岩㟢喜信先生の紹介で佐藤雅美氏に針治療を施行してもらった.両下肢のシビレ感は残ったが,腰部から右下肢への痛みは軽減した.これまで針治療を作用機序が科学的に解明されていないことを理由に軽視していたが,その効果を見直すことになった.帰宅後MRIを施行したところ,第3~5腰椎間の脊柱管が著明に狭窄し,さらに第3/4椎間板が右方に突出していた.腰椎すべり症は合併していなかった.
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