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No Man Alone
No Man Alone
板倉 徹
1
Tohru ITAKURA
1
1和歌山県立医科大学脳神経外科
pp.1147-1148
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100154
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ワイルダー・ペンフィールドの自叙伝「No Man Alone」(西村書店,古和田正悦訳)を読んだ.癲かんの外科と大脳皮質マッピングの神様である.結論は「人生,ひとりじゃない」ということである.この中には医師は若い時代にどのような研鑽を積むべきか,が書かれており興味深い.ペンフィールドの医学生時代からモントリオール神経学研究所設立までの半生が自らの手で描かれている.
プリンストン大学卒業後のペンフィールドは世界の一流の医師,研究者の教えを受けている.そのためには世界中どこへでも出かけて行った.アメリカの医学部在学途中でイギリスのオックスフォード大学へ入学する.そこにはウィリアム・オスラー卿が教授として学生の指導をしていた.オスラー卿はカナダ人で,誰よりも医学に貢献した偉大なヒューマニストであり,医師や学生に尊敬され,皆の規範だった.日本でも『平静の心』(日野原重明,仁木久恵訳,医学書院,2003年)の著者として名高い.ペンフィールドはオスラー卿と夫人に愛され,医師としての生活態度,基本的な心構えを教授される.
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