扉
新臨床研修制度における脳神経外科選択
島 克司
1
Katsuji SHIMA
1
1防衛医科大学校
pp.307-308
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100052
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平成16年度より医師国家試験が1カ月前倒しになるのを受けて,今年の防衛医科大学校脳神経外科の卒業試験は,1カ月早く9月10日に終了した.毎年卒業試験の時期になると,試験の成績以上に気になるのが,卒業生の進路状況である.防衛医大のような自衛隊医官養成の職能大学でも科目の選択は基本的には学生の自由である.
したがって,この時期になると他大学にみられるような科目選択のための説明会が各講座主催で開かれる.しかし,周知のように本学の学生は,卒業と同時に自衛隊医官となり陸海空の自衛隊に所属することになるため,他大学のような講座の入局制度は大学創設時からない.それでも各科が競って選択科目の勧誘を行う最大の理由は,講座のマンパワーの確保にある.もともと学生定員が少ない(2004年度卒業予定者54名)ため,これまで各診療部の選択は,年平均数人に過ぎず,当脳神経外科の選択も24年間の年平均は2.5人である.しかし,10年ほど前からみられるようになった外科系希望者の減少に加えて,女性医師倍増の影響などから,脳神経外科選択は全国的に減少傾向にある.当大学でも最近10年間に限れば,脳神経外科選択者は年平均2.1人に減少している.自衛隊医官としての脳神経外科医の必要性はともかく,首都圏の第三次救急病院や特定機能病院としてのactivityを保つには,厳しい状況が続いている.
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