特集 動き始めた新医師臨床研修制度
新医師臨床研修制度について
上田 博三
1
Hidezou Ueda
1
1厚生労働省大臣官房厚生科学科
pp.731-735
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100882
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新医師臨床研修制度が,本年4月より実施されている.新制度への移行は,昭和43年のインターン制度の廃止以来,36年ぶりの大変革であり,医師の養成にとどまらず,医療提供体制の今後に大きな影響と変革をもたらすと考えられる.ここでは,新制度について,今日に至る経緯と制度の概要,現状について解説する.
■インターンから臨床研修へ
戦後まもなく再編された医師国家試験制度では,国家試験受験資格を得るために,大学卒業後,1年以上の診療および公衆衛生に関する実地修練を受けるものとされていた.このいわゆるインターン制度に対しては,臨床や公衆衛生の現場で,十分な経験ができないことや,経済的な保証がないことなどから,制度的限界が各界から指摘されるとともに医学生の不満も高まり,社会問題となっていった.
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