てんかんにおける発達障害

Mental handicaps in childhood epilepsy.

I．はじめに

　発達障害は小児期における精神・運動機能障害の総称で，その病像は多様である。小児期のてんかんには，粗大または微小の脳損傷を基盤として発症するものが多く，そのため各種の発達障害を重複することがあるが，そのほかに，てんかん発作やてんかん性脳波異常が原因となって二次的に発達障害をきたすこともある。

　てんかんにおいては，発達障害の中でも精神機能障害，すなわち知能障害，行動異常，学習障害，情緒障害が問題となることが多い。本稿ではそのうちの知能障害を取り上げ，小児てんかんにおける知能障害の実態とその特徴についてのべる。

Mental retardation is detected in 20~30% of epileptic children at hospital specialized in the treatment of childhood epilepsy, because these hospitals attract many patients with intractable epilepsy.

The prevalence rate of mental retardation may be best estimated by referring to population sur-veys covering a large number of epileptic patients.