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はじめに
先天代謝異常(あるいは遺伝代謝病)の種類は多い。1986年に発行されたMcKusickの遺伝病カタログ1)には3,907種の遺伝病が記載されており,現在ではおそらく4,000を越えるであろう。代謝異常をどう定義するかという問題はあるが,酵素あるいはその他の機能蛋白質の異常が確認された疾患をすべて含めるとすれば,この数字から考えると,現時点で先天代謝異常と分類される疾患は少なくとも1,000種以上になると思われる。
このグループの病気には中枢神経系の病変を伴うことが少なくない。臨床的には乳幼児の発達障害あるいは脳の機能の退行として表現されるのが普通である。病態発生の機序は一様ではない。機能障害を起こした酵素の基質の異常蓄積,反応産物の減少などが最もよく解明され,それらの生体内産物の分布,量の変化,あるいは生体膜の構造異常と,中枢神経機能との関係が論じられている。
Involvements of the central nervous system are common in inherited metabolic diseases. Its patho-genesis is variable, and pathological intracellular events were reviewed involving neuronal cells and pathways conducting neuronal information in some diseases. Excessive storage of gene products (proteins) causes nutritional inbalance in various amino acid disorders. Substrates of deficient enzymes are often biologically active, and induce abnormal reactions and functional disturbances of somatic cells including nervous system cells.
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