Japanese
English
特集 発育期の脳障害
本態不明の奇形症候群
Malformation syndromes of unknown origin.
黒木 良和
1
Yoshikazu KUROKI
1
1神奈川県立ども医療センター遺伝学
1Division of Medical Genetics, Kanagawa Children's Medical Center
pp.373-383
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906292
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
最近の国連科学委員会報告によれば,先天奇形の有病率は6%に達するといわれている1)。また小児病院の入院患者統計をみても,遺伝要因の関与する疾患をもつ患者の割合は60%にも及んでいる(表1)2)。神奈川県立こども医療センターに精神遅滞を主訴として来院した909名の実態を表2に示した。遺伝科を中心とした統計であるため出生前要因による患者の割合が多いという偏りはあるにしても,精神遅滞の原因として遺伝要因が重要なものであることは明白である。奇形症候群のうちメンデル遺伝形式に従う疾患も多数あるが,原因不明な疾患のほうがむしろ多い。われわれの統計でも精薄集団の15.7%を占めている。ここでは本態不明の奇形症候群の診断について,さまざまなアプローチの方法について具体例を挙げて説明する。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.