綜説
緑内障の本態に就て
赤木 五郞
1
1岡山大學醫學部眼科
pp.215-222
発行日 1953年6月15日
Published Date 1953/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201503
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緑内障の本態に關する研究は現在歐米眼科學界の主題をなすものであつて,英國に於てはDuke-Elderを中心とし,又米國に於てはSuger, Elw-yn, Troncoso, Schmerl u Steinberg, Ascher,Goldmann等多數の學者の手に依つて研究が進められ,次々と新しい事實が發見せられて今日に於ては最早斯のWilliam MacKenzie (1830)に依つて初めて説えられ,然も最近迄不滅の眞理と考えられて居た「緑内障の本態は眼壓の病的亢進である」との根本概念すらも改訂せねばならない段階に立至つて居る現状である。私は此の機會に緑内障の本態に關する從來の諸學説に觸れると共に最近の重なる歐米學説を紹介し,併せて本問題に關して私達の教室で得た研究業績を根幹として,若干の批判を試みつゝ私達の見解を述べ度いと思う。
尚茲に取り上げて居る緑内障は總て原發性緑内障に就てのみであつて,續發性緑内障には觸れない事とする。
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