増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
呼吸器系
胎便吸引症候群の本態は気道の疾患なのか
岩井 正憲
1
IWAI Masanori
1
1熊本大学病院総合周産期母子医療センター新生児部門
キーワード:
胎便吸引症候群
,
胎便混濁羊水(MSAF)
,
炎症
,
サーファクタント
,
遷延性肺高血圧症
Keyword:
胎便吸引症候群
,
胎便混濁羊水(MSAF)
,
炎症
,
サーファクタント
,
遷延性肺高血圧症
pp.418-420
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001331
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胎便吸引症候群の基本病因,発生機序,解剖学的背景
胎便吸引症候群(meconium aspiration syndrome:MAS)は,子宮内低酸素により胎児に迷走神経反射が惹起され,腸管蠕動の亢進,肛門括約筋の弛緩により胎便が排泄され,胎便混濁羊水(meconium-stained amniotic fluid:MSAF)が子宮内での喘ぎ呼吸や出生時啼泣により気道内に吸引されることで発生する1)。MSAFは正期産児の4~22%,過期産児の23~52%に認められ,そのうち3~12%でMASを発症する2)。
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