Japanese
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特集 神経疾患の遺伝—その方法論
Huntington病の遺伝
Genetics of Huntington's disease
金澤 一郎
1
Ichiro KANAZAWA
1
1筑波大学臨床医学系神経内科
1Department of Neurology, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
pp.501-508
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905707
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はじめに
遺伝性の疾患が元来多いとされる神経変性疾患の中でも,Huntington病ほどあらゆる点からみて文句のない遺伝病も少ない。たとえば遺伝性が証明されない場合にはその診断をつけることが躊躇されるほどであり,これほど遺伝性が重要視される疾患も珍しい。100年以上にわたってヴェールにつつまれたままであった本症の病的遺伝子の座が第4染色体上に位置していることがつい2年前に明らかにされ,ようやく本症の病態の本質にせまることが夢ではなくなった。この時点で,本症の遺伝に関する長い歴史の中で,何が解り,何が未だ解らないことかをはっきりさせておくことは大切なことであろうと思われる。
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