Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
パーキンソン病の患者に対する定位的視床手術中に人間の視床ではじめて,末梢の振戦と一致する群化放電を見出したのはAlbe-Fessard,Guiotらのフランスのグループで,このことはその後多くのグループによって確認されている1)。その中でほぼ共通していることは,表在性感覚の投射を受けるventralis caudanis(VC)注)の吻側で,視床の標準アトラスとの対応からはventralis intermedius(V. im)といわれる核の領域に限局してこのような群化放電が見出されていることである18)。ただし,ここで注意しておかなければならないのは,すべて術中の記録であることから,記録点に関しては第III脳室の陰影と標準アトラスとの対応でこれが想定されているということであり,記録点を組織学的に正確に示したものはこれまでに世界中に一つもないことである。したがっていろいろな,いわば状況証拠からV. imニューロン←→振戦の関係が論じられてきたわけで,このことは常に念頭に置いておくべきであろう。
これまでAlbe-Fessardをはじめとする多くの研究者は,V. im核で見出された振戦と一致する群化放電が,振戦を発現させている(tremorogenic)ものであろうという考えに傾いているようにみえる2)。
The characteristic electrical activity of the Vim(ventralis intermedius) nucleus in the human thalamus and its morphological features were described and the role of the Vim neuron in "neural mechanism of tremor" was discussed. In the human thalamus, the Vim nucleus has been defined as darkly stained, scattered large neuron group between ventralis lateralis and ventralis caudalis nucleus. This anatomical findings was fully confirmed by our own histological study using normal human thalamus.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.