Japanese
English
連載 Functional Mappingの臨床応用—現状と展望・5
視床の機能的マッピング
Clinical application of functional mapping:the present state of the art and its future prospects:(series 5) functional mapping of the human thalamus
大江 千廣
1
Chihiro OHYE
1
1群馬大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Gunma University School of Medicine
キーワード:
thalamus
,
functional organization
,
neurophysiology
,
PET
,
microrecording
Keyword:
thalamus
,
functional organization
,
neurophysiology
,
PET
,
microrecording
pp.501-506
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901219
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I.はじめに
マッピングということばを地図作りのように解釈すると,機能的マッピングとは機能でわける地図作りということになる.そしてさらにこれは通常,形態による分化を探るのではなく,生体で機能を知るという暗黙の了解も含んでいる.そこで,視床の機能的マッピングには長い間ほとんど電気生理学的方法のみが行われてきた.特に人間では,道徳的,技術的問題があり,機能的疾患で治療に必要な手段としてのみ,この方法が適用出来るという制約を考慮しなければならない.しかし,最近のコンピューター化画像の発達で,機能的マッピングの様相も変化してきた.PETスキャン,MRI,MEGなどで脳の機能的状態がわかるようになってきたからである.
そこで,ここでは電気生理学的手法による視床のマッピングについてこれまでの成果をまとめた上で,新しい方法,即ちPETスキャンやMRIによるマッピングについて簡単に述べたい.ただし,現在のところPET,MRIでは視床の機能分化を論じるに足る成果は出ていないというのが正直なところであろう.
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