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I.はじめに
過去10数年の間に,哺乳類においては,視床下部の底部,視交叉の直上に位置する視交叉上核(SCN)が,サーカディアンオッシレーターの局在部位であることを示す証拠が数多く蓄積されてきた。まず,1972年にMoore & Eichler19),およびStephan & Zucker32)がそれぞれ独立にSCNの破壊によるサーカディアンリズムの消失を報告して以来,行動量32),睡眠量10,11),摂水量32),副腎コルチコステロン19),松果体のN-アセチルトランスフェラーゼ活性20)など,さまざまな指標のサーカディアンリズムがSCN破壊によって消失することが確認されてきた(総説としてはRef. 24を参照)。ラットSCNから導出されるマルチプルユニット活動は,明期に活動の高まる顕著なサーカディアンリズムを示し,このリズムは,SCNを周囲の脳組織から切り離してもなお持続する12,13,15)。SCNの神経活動のサーカディアンリズムは,in vitroの脳切片標本でも観察される8,9,31)。SCNの代謝活動もまた,サーカディアンリズムを示すことが,2-デオキシグルコースの取り込みを指標として確認されている28,29)。SCNの電気刺激は,行動のサーカディアンリズムの位相をずらす効果を持つ23)。
Evidences gathered using a variety of techniques now indicate that a circadian oscillator is localized in the suprachiasmatic nucleus (SCN) of mammalian hypothalamus. However, most of these evidences are obtained from nocturnal rodents, and the studies of central nervous regulation of circadian rhythms in diurnal mammals are rather few.
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